質問

派遣の顔合わせで圧迫面接のような感じで事前面接をされましたが、派遣会社もグルなのでしょうか?

違法行為だと思いますが、訴えたら勝てますか?

回答

労働者派遣法では本人を特定することになる事前面接は禁止されているものの、「努力義務」を課すにとどまっているから不法行為ではない、というのが現在における判例である。

「R派遣会社損害賠償請求控訴事件」がその判例であるが、概要としては、ごくごく一般的な派遣の応募プロセス。

訴えた人は求人広告を見てR派遣会社に登録し、派遣先で顔合わせがあり、結果的にお見送りになったものの、事前面接で派遣先が選考しているから不法行為ではないか、派遣会社から紹介された時点で採用が決まっているはずだから賃金や交通費を払え、という裁判である。

裁判の結果は前述の通り。努力義務でしかないから、ただちに不法行為ではないと敗訴したわけである。

努力義務とはなんぞや

ちなみに、努力義務というのは守らなかったとしても基本的に罰則がない法律である。

最近よく挙げられる努力義務の例としては、自転車のヘルメット着用、新型コロナワクチンの接種など、賛否両論あったりと、いまいちパッとしないラインナップ。

生活や収入に直結する派遣の事前面接の扱いも、それらと同列だと考えると、派遣で働きたい人の雇用機会を本気で考えているとは思えない。

ただ、実際のところ、どんな会社でどんな人間と働くのかわからないのに採用されるのも、それはそれでかなりリスキー。

後ろめたさを感じながら面接的なことをする努力義務くらいの扱いがちょうどよいからと、結果的にそうなっているようにも思わなくもない。

派遣先の上司(指揮命令者)がとんでもないヤツだとか、派遣会社が言ってる仕事内容と実際が全然違うとかは、派遣ではよくあることだから、自分の目と耳で直接確認するメリットはある。派遣会社が役に立っていないとも言うけども。