【派遣あるある】派遣社員に指示を出せるのは「指揮命令者」1名のみ!!

派遣社員に指示を出せるのは契約書に記載された「指揮命令者」1名のみ。これが原則である。
だが、現場に入れば、下っ端の平社員から部長まで、誰も彼もが「ちょっとこれやって」と口を出してくる。繁忙期にもなれば、その乱れは加速する。
目次
指揮命令者は書類上も実務上も1名が最良
契約書に記載された人物だけが指揮命令者。派遣社員にとっては、指揮命令者が固定されている環境こそが安心材料になる。誰の言葉を優先すべきかが明確だからだ。
会話例
派遣社員「契約書に書かれている方から指示を受けることになっています」
平社員「いや、俺もチームの一員だから頼んでいいでしょ?」
派遣社員「それを許すと、指揮命令者の意味がなくなります」
「チームだから頼んでいい」という言葉は、契約の枠組みを無視した自己都合にすぎない。「誰の指示を優先するか」を明確にするために指揮命令者が存在するのであり、勝手な口出しは混乱を生むだけである。
指揮命令者が複数いた場合の混乱
現場では、課長からも部長からもAさんからもBさんからも、四方八方から指示が飛んでくる。残業が増え、優先順位を誤れば「仕事が遅い」と派遣会社に苦情が入る。
会話例
課長「この資料を今日中にまとめて」
部長「いや、その前にこっちの数字を出して」
派遣社員「どちらを優先すべきですか?」
課長&部長「両方だ」
「両方だ」という答えは責任放棄だ。優先順位を示さない指揮命令は、もはや命令ではない。混乱の押し付けである。
“シャドウ指揮命令者”が複数名いる場合
契約書には1名だけ記載されていても、現場では部下やチームメンバーが勝手に指揮命令をしてくる。これが“シャドウ指揮命令者”である。
会話例
チームメンバー「ちょっとこれもやってくれる?」
派遣社員「契約上の指揮命令者からの指示ではないですよね」
チームメンバー「細かいこと言わないでよ」
「細かいこと言うな」という言葉は、契約を軽視する免罪符だ。派遣社員にとっては細かいことではなく、労働環境を守るための根幹である。
指揮命令者が不在の現場とテレワーク拒否の歴史
中間管理職が派遣社員の指揮命令者になることが多いが、彼らは会議や出張で不在になりがちだ。その間、代理の人間から指示が飛んでくるが、それでは指揮命令者の意味がない。
会話例
派遣社員「指揮命令者が不在ですが、どうすればいいですか?」
代理社員「とりあえず俺の言う通りにして」
派遣社員「それでは契約の意味がなくなります」
「とりあえず俺の言う通りに」という言葉は、責任を持たない命令でしかない。不在なら不在で、指揮命令者が事前に業務を振るなど、派遣社員が困らないようにしておかなければならない。
ちなみに、2020年以前のコロナ前の時代、派遣会社はIT系などのテレワーク可能な職種でも「指揮命令者が近くにいないとダメ」という理由で派遣社員にテレワークを認めなかった。国が「テレワークしろ」と言った途端に、法律が変わったわけでもないのに急にテレワークできるようになったのは、派遣七不思議の一つである。
名義貸し状態の顔すら知らない指揮命令者
契約書に名前だけは記載されているが、指揮命令者の姿を一度も見たことがない。事業部長や役員の名前が書類上だけは存在し、現場には顔を出さない。いわゆる「名義貸し状態」である。
会話例
派遣社員「契約書にある指揮命令者の方にお会いしたことがありません」
現場社員「まあ名前だけだから気にしなくていいよ」
派遣社員「名前だけで済むなら、制度そのものが形骸化しています」
「気にしなくていい」という言葉は、組織の怠慢を隠すための常套句だ。責任の所在すら曖昧な危うい構造を抱えている。
派遣先苦情責任者も名前だけ
契約書には派遣先苦情責任者の名前もあるが、実際には顔も知らないことが多い。相談相手として機能せず、名前だけの存在になりがちだ。
会話例
派遣社員「苦情責任者の方に相談できますか?」
現場社員「この業務のことを何も知らないから意味ないよ」
派遣社員「それでは相談窓口の役割を果たしていません」
「意味ない」という言葉は、制度を形だけにしてしまう。派遣社員にとっては相談窓口が機能しないことが、孤立を深める最大の要因になる。
派遣社員を守る最低限のルール
指揮命令者が1名であるべきという原則は、派遣社員を守るための最低限のルールであり、それを逸脱する派遣先は浅はかさを露呈している。
派遣社員は「誰の命令を優先すべきか」という、最も基本的な問いにすら答えを与えられないまま働かされる。これは安定でも秩序でもなく、ただの混乱であり、組織の怠慢を隠すための方便にすぎない。指揮命令者が1名であるべきという原則を守れない派遣先は、派遣社員を消耗品として扱っていることを自ら証明している。
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