派遣は事前面接禁止である法律的根拠を「e-Gov 法令検索」で調べて派遣会社の矛盾を暴こう

「権利の上に眠るものは保護に値せず」という法律の格言があるが、これは主に民法の時効制度を指している考え方とされるが、派遣で働くなら知っておかないと保護されるに値しないのが派遣法である。

派遣社員は面接禁止というのを派遣で働く人なら何となく耳にしたことがあるかもしれない。

ただ、派遣会社の案件に応募すると「顔合わせ」や「職場見学」など言葉を変えて面接が実施されることは多いので、実際はどうなのか疑問に思う人もいるだろう。

「e-Gov 法令検索」とはなんぞ

法律を調べるときに必ずしも分厚い六法全書が必要かというばNOである。

デジタル庁が無料で法律を調べられるようにデジタル版の六法全書とも言える「e-Gov 法令検索」というサイトを公開しているからだ。

毎日スマホを使う現代人でも「e-Gov 法令検索」を頻繁に使う人はあまりいないと思うけれど、現在適用されている法律や、これから施行予定の法律を調べることが可能な便利なサイトである。

e-Gov 法令検索での派遣法の調べ方

派遣社員は派遣法すなわち、正式には「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」を根拠として働いているが、「e-Gov 法令検索」で派遣法を調べてみよう。

方法は簡単で「e-Gov 法令検索」の検索窓に「派遣法」と入れればよい。

おそらく一番上に出でくるはずだが、PCの場合は左側に過去の改訂や、将来的に改訂される予定の内容を見ることもできる。

派遣の事前面接禁止の条文は派遣法26条6項

派遣法を表示したら、どの部分に面接禁止の内容が書かれているのか、さらに調べてみよう。

目を皿のようにして二十六条六項を調べてもよいが、より簡単なのはPCのブラウザの場合はページ内検索(Crtl+F)で「派遣労働者を特定」などと検索する。

すると、

「労働者派遣(紹介予定派遣を除く。)の役務の提供を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際し、当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない。」

と書かれているのがわかる。

面接禁止を規定した派遣法26条6項

派遣法26条6項では、要するに紹介予定派遣を除いては応募者を特定して選別する行為、すなわち面接的なことを行ってはならないとされている。

これで派遣の面接禁止というのが都市伝説でも雰囲気でも何でもないことがわかっただろう。法律でちゃんと定義されているのである。

背景としては、企業側からすると労働力を迅速に確保しやすくしたり、求職者側からすると就業機会を確保しやすくするというものであり、直雇用同等の面接等での採用試験があるのでは派遣という制度の趣旨を崩壊させてしまうになってしまう。

独自解釈でグレーゾーンを作り出す派遣会社たち

法律の条文というのは一般人にはわかりづらいが、これを利用して多くの派遣会社はグレーゾーン、いやブラックゾーンを独自解釈で作り出しているとも言える。

派遣法26条6項には特定する行為は禁止とあり、良識ある一派な市民が考えれば、派遣先担当者と応募者本人がリアルやWeb面談で顔を合わせたり、自己紹介で氏名を名乗らせたりすると完全アウトだとイメージするが、派遣会社の独自解釈、独自理論はおめでたいほどである。

大手派遣会社を含む、いくつかの派遣会社では、バリバリに典型的な事前面接を行っているのに事前面接禁止を開設したコラムを作ったりして、「履歴書そのものを派遣先に提出しなければOK」「前職の退職理由を聞かなければ問題ない」「お互いのミスマッチを防ぐためにやるから必要なもの」などと、法律を完全無視した独自解釈を展開していたりする。

その結果の産物が「顔合わせ」であり「職場見学」なのである。

よくある「顔合わせ」や「職場見学」の概要

「顔合わせ」や「職場見学」の対策がある

面接対策とかは聞くけれど、派遣会社によっては「顔合わせ」や「職場見学」の対策があったりする。

見学ツアーに何の対策が必要なのか意味不明だが、模擬職場見学みたいなことをやったり、「こんなことを聞かれたら、こんなふうに答えてください」などの指導があったりする。

某中堅派遣会社だと本番の職場見学(笑)の1時間前に、面接官の役割をした営業とその同僚と先輩が参加して職場見学対策が行われたことがあった。

アホ臭くなって本番の職場見学後に自体したが、大手派遣会社でも30分前くらいに待ち合わせて、対策的な打ち合わせが行われることは多い。

「顔合わせ」や「職場見学」の流れ

派遣会社の営業担当者が同席するだけで、普通の面接と大体似たり寄ったりである。

営業担当者が司会進行のような役目をしているのは各社共通で、流れも大体各社共通である。

1、本人の本人による経歴紹介
3分程度など短めの時間が指定されることが多い。スキルシートを全部読み上げろと言われるアホな営業担当もいるが、ある程度の社会経験や職務経験がある人なら、直近を中心にキーポイントになるところをまとめて話す方が効果的なのは言うまでもない。

2、派遣先担当者による業務説明
スライドとかを使って会社案内風にやってくれる場合もあったり、詳しすぎて理解できないほど詳細に社内フローなどを話してくれる場合もある。逆にシンプルすぎて何もわからない場合もあるし、派遣会社から聞いていた業務内容と違う場合もよくある。長期のはずが短期とか、根本から違う場合もある。

3、質疑応答
派遣会社から印象をよくするために必ず何か質問しろと言われることが多い(笑)

1番と2番は入れ替わることもあるし、フレンドリーな職場だと形式的なものではなくて、雑談形式で無駄にだらだら1時間過ごした挙句に「話がまとめられませんでした」と言われて不採用になる場合もあったり様々なのが実情。

形式は問わず、いずれも派遣法では禁止されているから不思議なものである。

派遣先企業は顔合わせを面接だと認識していることが多い

派遣会社は営業停止処分を恐れて、面接という表現を使うことは通常ないが、派遣先は普通に顔合わせや会社見学を「面接」と表現することが多い。

業界で5本の指に入る某大手法人でも「面接の時に話したと思うけど」とか「このあと派遣さんの面接があるから席外します」とか、普通に面接という表現を使っていたりする。

そういう所は大体、派遣の入れ替わりが激しい業務丸投げのブラックだが、派遣を使う側の企業の意識はヤバいと言わざるを得ないだろう。

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