募集人数を「2人」から「1人」へ勝手に変更する職場のブラック構造

派遣社員にとって「募集条件」は唯一の拠り所だ。

だが、現場に行ってみれば、当初「2人募集」とされていた案件が何の説明もなく「1人募集」に変更されている。そんな事態は珍しくない。これは単なる事務的なミスではなく、派遣先企業の不誠実さとブラック体質を象徴する行為だ。

当初は“2人必要”だったはずなのに

求人でも営業とのやりとりでも当初は「2人募集」となっていた。業務量も、担当範囲も、どう見ても1人では回らない。だからこそ2人募集だったはずだ。だが、採用が進むにつれ、空気が変わる。いつの間にか「1人でいいよね」という雰囲気が漂い始めたらしい。

会話例

応募者「2人募集と書いてありましたが…」
採用担当「ああ、まあ、状況が変わりましてね」
応募者(心の声)「(変わったのは“状況”じゃなくて“あなたの都合”では…)」

“1人で回せる”という幻想を押しつける構造

2人必要な仕事を1人に押しつけるのは、ブラック職場の典型的な手口だ。

理由は簡単で、人件費を節約できるから。そして、1人で回らないことは最初から分かっている。だが、上司はこう言う。「慣れればできる」「前任者は1人でやってた」。その“前任者”が辞めた理由には触れないのが特徴。

会話例

上司「最初は大変だけど、慣れれば1人でできるよ」
新人「前任の方はどうして辞めたんですか」
上司「まあ…いろいろあってね」
新人(心の声)「(“いろいろ”の中身が仕事量では…)」

人手不足を“努力不足”にすり替えるブラック心理

2人必要な仕事を1人に押しつけると、当然回らない。

だが、上司は「あなたの努力が足りない」という方向に話をすり替える。これはブラック職場がよく使う心理操作だ。構造の問題を個人の問題に変換する。

会話例

新人「業務量が多すぎて終わりません」
上司「みんな最初はそうだよ。工夫しないと」
新人(心の声)「(工夫で2人分の仕事が1人でできるなら、当初2人募集してたのはなぜ?)」

“1人で回っているように見せる”ことで崩壊が始まる

1人で回らない仕事を1人に押しつけると、当然ミスが増える。遅延も増える。クレームも増える。

だが、上司はむしろ「1人で回っているように見せる」ことを求める。つまり、実態よりも“体裁”を優先する。この瞬間、職場はブラック化が完成する。

会話例

上司「とにかく“回ってるように”見せて」
新人「実際は回ってませんが…」
上司「見せ方の問題だよ」
新人(心の声)「(問題なのは“見せ方”じゃなくて“人数”)」

人数を勝手に減らす職場は構造的にブラック

「2人募集 → 1人募集」への勝手な変更は、単なる人数調整ではない。

それは、
・人件費を削りたい
・仕事量を誤魔化したい
・責任を個人に押しつけたい
・体裁だけ整えたい
というブラック構造の縮図である。この構造がある限り、どれだけ人が入っても辞めていく。そして上司は言う。「最近の若者はすぐ辞める」。違う。辞める理由を作っているのは、職場のほうだ。

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