派遣登録で本当のことは絶対書くな ~実例で学ぶ“商材”として売られる派遣社員の姿~

派遣会社への登録情報を正社員応募と同じ感覚で“真面目”に書いてしまう人がいる。
だが、それは派遣という仕組みを根本から誤解している。派遣会社はあなたの人生に寄り添う存在ではないし、短期離職や空白期間の背景を理解しようとはしない。
彼らが見ているのは、ただひとつ。「売れる商品かどうか」というだけだ。
目次
派遣登録を“正社員応募”の延長で考える人たち
正社員として働いた経験が多い人ほど、派遣登録のときに“事実を書く”という罠にハマる。短期離職も、空白期間も、辞めた理由も、すべて正直に書いても派遣会社は寄り添ってくれるものだと勘違いしてしまう。
しかし、ここは人が商品として売られる派遣業界。正直さは美徳ではなく、ただの欠陥品マークでしかないのだ。
派遣会社は人助けではなく“人材売買業”である
派遣会社も派遣先企業も、どちらも慈善事業ではない。
派遣会社のビジネスは「人間という商品を派遣先企業に貸し出して利益を得る」ことに尽きる。あなたの経歴にあるマイナス情報は、どれほど事情があろうと「私は欠陥商品です」と自己申告しているのと同じだ。
あなたの人生の背景を派遣会社は理解しないし、あなたの事情に派遣先企業は共感しない。情緒というものは存在しないのである。
マイナス情報を正直に書く致命的なリスク
派遣の世界では、短期離職も、空白期間も、自己都合退職も、理由がどうであれ“マイナス”として扱われる。
正社員応募なら事情を説明すれば理解して貰えるかもしれないが、派遣ではそんな丁寧なプロセスは存在しない。派遣会社は「売れるか、売れないか」しか見ていない。シビアな派遣会社なら“登録お断り”の一言でゲームは終わる。
あなたの誠実さは派遣の世界では評価されず、単に商品価値を下げるだけである。
実例1 短期離職を“なかったこと”にして生き延びるベテランAさん
派遣歴20年越えのAさんは、短期離職を全て“なかったこと”にしている。
“協調性がない”などと言われて切られた1年未満の短い職歴は全て削除。複数の細かな仕事は一つの“大きな仕事”として一本化。マイナスに見られることしかない空白期間は“それとなく”働いていたことにしている。
その結果、30代後半や40代でも途切れなく派遣の仕事を渡り歩き、週末はパーティーに出かける余裕すらある。派遣の仕事を短期間で切られるたびに、「待ってました」と言わんばかりに趣味の旅行をエンジョイしているが、公私混同を嫌うAさんは不利な“プライベート情報”を派遣会社の経歴欄に入力することはない。
彼はズルいのではない。派遣市場のルールを理解しているだけだ。その証拠に、彼は派遣会社にも派遣先企業にも貢献し、20年以上も“派遣界の第一線”で活躍し続けている。
実例2 バカ正直に書いて地獄を見るビギナーBさん
新卒で就職した正社員の仕事を辞めて、初めて派遣で働くBさんは、都内に住む20代後半の女性だ。
彼女は「派遣会社は親身にサポートしてくれる」と信じていた。だから、退職理由も空白期間も全て正直に書き、緊急連絡先には実家の母親を記載した。
しかし、求人と違う業務内容、条件のズレ、パワハラ体質の派遣先、相談しても後回しにされる営業という地獄のコンボに巻き込まれ、精神的に不安定になってしまった。休暇を申請して2日間休んだところ、実家の母親に派遣会社から「休むな」という連絡が入ったのだという。心配をかけまいと正社員の仕事を辞めたことを隠していたのに、実家に全てバレてしまった。
このことを知り合いの派遣の先輩に相談すると、「本当の連絡先を書くからだよ」と当然のように言われた。Bさんは悪くない。ただ、派遣の世界の“非情なルール”を知らなかっただけだ。
派遣登録で守るべき唯一のルール
派遣登録で守るべきルールはたったひとつ。「不利な情報は書かない」ということだ。
派遣会社はあなたの誠実さを評価しないし、あなたの事情を尊重しない。彼らが見ているのは“売れるかどうか”だけである。
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