在宅勤務可なのに「慣れるまでフル出社」の場合、その期間は事前に明確化すべき理由

「在宅勤務OK」と説明されていたはずの案件なのに、いざ就業が始まると「慣れるまでフル出社でお願いします」と言われるケースは珍しくない。

派遣社員にとって働き方は案件選びの重要な基準であり、在宅勤務が可能かどうかは生活設計にも直結する。それにもかかわらず、出社期間を曖昧にしたまま働かせようとする派遣先は、労働条件の透明性を軽視していると言わざるを得ない。

労働条件の後出しを防ぐために必要なこと

派遣社員は勤務地や働き方を前提に案件を選ぶ。そのため「在宅勤務可」という条件は、応募の決め手になることが多い。

ところが、就業直前になって「しばらくはフル出社で」と言われると、実質的には条件変更に近い。しかも、その“しばらく”がどれくらいなのか明示されないまま始まると、派遣社員はいつまで通勤が必要なのか見通しを立てられない。

「慣れるまでの期間」は派遣先によって大きく違う

実際にあった例としては、1~2週間程度の場合もあれば、何らかのテストや基準があったり、3か月や半年という場合すらある。これでは在宅勤務ができずに、初回の契約期間が終わってしまうだろう。

結果、派遣先の都合によって生活リズムも、家庭の調整も、すべてが宙ぶらりんになる。これは派遣社員にとって大きな不利益であり、本来は契約前に説明されるべき内容だ。

「慣れるまで」は派遣先がいくらでも引き延ばせる

「慣れるまで」という言葉は便利だ。終わりを決めなくていいからだ。

業務に慣れていないと言われれば派遣社員としては反論しづらく、繁忙期だからと言われれば納得せざるを得ない。こうして出社期間は派遣先の都合で簡単に延長される。派遣社員は派遣先の判断に振り回され、気づけば半年以上フル出社が続いていたというケースもある。これは本来の労働条件を捻じ曲げており、曖昧なまま受け入れるべきではない。

派遣社員は生活設計ができなくなる

在宅勤務が可能かどうかは、派遣社員の生活に大きな影響を与える。

期間が不明なまま働き始めると、派遣社員は「いつ在宅に移行できるのか」という不安を抱え続けることになる。働き方を選ぶ権利を守るためにも、出社期間の明示は不可欠だ。本当の意味で在宅勤務を運用できる派遣先は、出社期間を明確に説明できる。

「最初の2週間だけ出社」「1ヶ月で完全リモート移行」など、具体的な説明ができる派遣先は、在宅勤務の仕組みが整っている証拠だ。一方で、期間を曖昧にしたまま「慣れたら在宅で」と言う派遣先は、在宅勤務をうまく取り入れられていない可能性が高い。派遣社員にとっては、派遣先を見極める重要な判断材料になる。

派遣は“現場の都合”で条件が変わりやすい

派遣先の判断は、現場のマネージャーに委ねられていることが多い。現場が忙しい、管理が難しい、習熟度が不明といった理由で、出社期間が伸びることは珍しくない。派遣社員はその影響を直接受ける立場にあるため、契約前に期間を固定しておくことが重要になる。現場の都合で働き方が揺らぐのは、派遣という働き方の弱点でもある。

在宅勤務可を名乗るなら出社期間は最初に明確化すべき

在宅勤務は職種によっては、今や働く上で欠かせない条件だ。

その条件を曖昧にしたまま採用するのは誠実さが欠けている。「慣れるまでフル出社」ではなく、「◯週間出社、その後在宅勤務」という形で、期間を事前に明確化する必要がある。派遣社員の不安を取り除くことができる。これは必要最低限のルールと言える。

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