【派遣の職場】“先輩ヅラ派遣”と“媚び売り同期”との小競り合いが派遣社員のよくある職場環境

派遣社員とっての最大の敵は、派遣先の社員でも派遣元の営業でもない。現実はもっと残酷だ。
薄っぺらい求人内容に釣られ、不可解で理不尽な社内選考を突破し、強引な日程調整に応じ、違法な事前面接を経てようやく就業開始したとしても、そこで待ち受けているのは同じ派遣社員という立場の“敵”たちだ。
なぜなら派遣という制度そのものが「仲間意識」を許さず、「競争」と「序列」を強制する仕組みだからである。
目次
たった一週間早いだけで“先輩ヅラ”する先輩派遣
派遣社員の世界で最も滑稽で痛々しいのが、たった一週間や一か月だけ就業開始が早いというだけで“先輩ヅラ”をする先輩派遣の存在だ。
彼ら彼女らは「自分がこの職場を回してきた」「あんたが来るまで自分が取り仕切ってきた」という態度を全身から漂わせる。ほんの短期間の差で権威を作り出し、まるで職場の支配者であるかのように振る舞うのだ。
新人に対しては「まだ慣れてないんでしょ?(笑)」「まだ〇〇について教わってないの?(笑)」と見下し、仕事の手順をわざと複雑に説明して優位性を誇示する。
派遣先や派遣会社から見れば同じ消耗品に過ぎないのに、彼ら彼女らはその立場の脆さを隠すために“先輩”という虚構を必死に演じる。実際には派遣先の社員からも「所詮は派遣」としか見られていないのに、同じ派遣仲間に対してだけは権力者を気取る。
この“先輩ヅラ”は、派遣という不安定な立場にしがみつくための防衛本能であり、同時に職場の空気を最も不快にする存在でもある。仲間を導くどころか、威圧と支配で自分の立場を守ろうとするその姿は、派遣制度が生み出す小さな権力劇の象徴だ。
アピールが痛々しい“媚び売り同期”派遣社員
一方で、同時に採用された“同期”派遣社員は別の方向に走る。
派遣先社員に媚びを売り、必死に「自分は有能」だとアピールする。笑顔を振りまき、雑務を率先して引き受け、急な残業を何時間でも平気で受け入れる。まるで「私は他の派遣とは違う」という自己演出を孤独な舞台の上で繰り広げているかのようだ。
そのアピールは痛々しいほど過剰で、正社員にとっては便利な駒にしか映らないのに、本人は「評価されている」と勘違いしている。昼休みには正社員の机に近づき、無理やり会話を作り出し、笑い声を響かせる。会議では誰も求めていない意見を差し込み、「積極性」を演じる。その姿は、他の真っ当な派遣社員から見れば恐怖の対象そのものだ。媚び売り同期の存在は、職場に緊張感と嫌悪感を撒き散らす。
結局、彼らの狙いは「次の更新を勝ち取る」ことであり、他の派遣を蹴落とすことに他ならない。更新のためなら仲間を裏切り、派遣先社員に忠誠を誓う。彼らにとって同期は仲間ではなく競争相手であり、蹴落とすべき障害物だ。媚び売り同期のアピールは痛々しいだけでなく、制度が生み出す残酷な敵対構造の象徴でもある。
そして最も毒々しい現実は、こうした媚び売り人間は「派遣先にとって都合のいい存在」であることだ。派遣先にとっては扱いやすい駒、派遣会社にとっては更新しやすい人材。つまり、媚び売り同期は制度にとって“優等生”であり、真っ当な派遣社員にとっては最大の脅威となる。痛々しいアピールは、彼らの延命戦略であり、制度を操る側にとって格好の思うツボなのだ。
日常にある派遣社員同士の足の引っ張り合い
ある事例では、同じ部署の派遣社員と正社員のお局が結託し、別の派遣社員を悪く言って孤立させたという。噂話や無視が日常化し、孤立させられた派遣社員は胃痛や頭痛で病院に通う羽目になったという。
別の事例では、契約書には「PC操作と電話対応」と記載されているのに、実際には来客対応や雑務まで押し付けられたケースがある。正社員から振られた仕事を派遣社員同士で押し付け合い、誰がやるかで摩擦が生じる。結局「やらされた側」が損をし、派遣同士の関係は険悪になる。
同じ職場に複数の派遣社員がいる場合、報告方法や仕事の進め方の違いから摩擦が起こりやすいとされる。短期派遣と長期派遣でも温度差や階級意識があり、チームワークが必要な場面で連携が難しくなる。つまり、仲間であるはずの派遣社員が「最大の敵」ということである。
派遣という制度の残酷さ
派遣という制度は同期や先輩の派遣社員を「仲間」ではなく「敵」として配置する。求人票の幻想に騙され、茶番劇を突破しても、待ち受けるのは同じ境遇の人間同士の醜い争いだ。
派遣社員にとって最大の敵は派遣先でも会社でもなく、隣に座る派遣社員だ。この残酷な現実こそが、派遣という仕組みの本質である。
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