派遣営業と派遣先が“やたら親しげ”なときに発生する派遣社員のリスク

派遣で働く際、意外と見落とされがちなのが「派遣営業と派遣先担当者の距離感」だ。

一見すると仲が良いのは良いことに見えるが、派遣というビジネスモデルの構造上、距離が近すぎる関係はスタッフ側にとってハイリスクになりやすい。ここでは、その理由をロジカルに分解する。

顔合わせで“内輪の距離感”が露呈するのは危険信号

顔合わせの冒頭で、派遣営業と派遣先担当者がこんなやり取りを始めることがある。

派遣営業「あ、課長、この前○○に行ってきたんですよ」
派遣先担当者「え、マジで? どうだった?」
派遣営業「いや〜、課長の言う通りで(笑)」
派遣先担当者「だろ? だから行くなって言ったじゃん(笑)」

この時点で、この2人は普段からプライベート含めてかなり話しているという距離感が露骨に見える。スタッフ側はまだ席に着いたばかりなのに、すでに“内輪の空気”が出来上がっている。

中立性が崩れて派遣先寄りのバイアスが発生する

派遣営業は本来、派遣スタッフと派遣先の間でバランスを取る立場だ。

しかし、派遣先との距離が近すぎると、派遣営業は派遣先の味方になりやすく、派遣先の都合を優先したり、条件変更を押し付けたり、トラブル時にスタッフ側を守らないといった構造が生まれる。つまり、派遣先と仲が良いというのは、中立性の喪失=スタッフのリスク増大に繋がる。

情報の透明性が低下する(ディスクローズ不足)

親しい関係では、派遣営業と派遣先の間で非公式な情報共有が増える。

その結果、本来スタッフに伝えるべき情報が伏せられたり、都合の悪い点が曖昧にされたり、面談前に必要な情報が落ちることがある。極端な男女比率や在宅勤務が絶対不可というネガティブ情報を隠す営業がいるのは、この構造によって起きる典型例な事例である。

面談が派遣営業の都合で進んで行く

派遣営業と派遣先が親しげだと、面談が形式的な確認作業になりやすい。

すでに営業と派遣先で話が決まっている、スタッフは“当てはめられる側”になる、ミスマッチがあっても押し込まれるなど、スタッフの意思決定プロセスが軽視され、強引な押し込みが発生しやすい。

派遣先の文化を営業が持ち込み始める

派遣先との距離が近い派遣営業は、派遣先の価値観や文化をそのまま吸収しやすい。

その結果、上から目線の態度、強引な紹介、スタッフ軽視のコミュニケーション、「押せば決まる」という思い込みなど、営業が派遣先の手先になってしまい、スタッフは守られなくなる。

親しげすぎる営業×派遣先はハイリスク構造

派遣先との距離が近いほど、中立性が崩れ、情報が伏せられ、面談が形式化し、営業が派遣先の都合で動き、スタッフの安全性が下がる。

派遣で働く上で、営業と派遣先の距離感は重要なリスク指標である。

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