派遣法絡みのトラブルは労働局の「需給調整部」に申し立てると直接指導してくれる

派遣の仕事でトラブルが発生した際、よく「労基署へ行け」と言われるケースは多いが、派遣という働き方においては相談先が異なる場合がある。
結論から言えば、派遣に関する問題は各都道府県の労働局に設置されている「需給調整部(課、室)」が専用窓口となる。
東京の場合であれば、JR山手線の田町駅から徒歩15分ほどの場所にある東京労働局の海岸庁舎2階に該当部署があり、ここで派遣に関連した相談を受け付けている。
目次
労働局に違法派遣会社の相談に行ってみた
実際に現地へ相談をしに行ったが、事前予約は不要で、平日の開庁時間内であれば、いつでも直接訪問して相談できる仕組みになっている。
東京労働局の海岸庁舎の2Fには受付の電話があり、「派遣で働いているが派遣会社(派遣先)がおかしいので相談がしたい」などと言えば通してくれる。
パーテーションで区切られた半個室の相談ブースが複数用意されており、待ち時間もなく、到着後すぐに専門相談員が対応してくれた。相談内容によってはヒアリングや確認に時間を要するため、1時間程度の余裕は見ておいた方がよいが、全体としてスムーズに進行する印象である。
相談の際に持っていくべきもの
相談をスムーズに進めるためには、客観的な証拠資料の持参が重要となる。
具体的には、雇用契約書や派遣契約書、派遣会社とのメール履歴などが該当する。これらを提示することで、相談員は契約内容の不備や法令違反の有無を具体的に確認できる。
相談員は派遣社員の立場に寄り添った対応を行い、契約書の問題点や派遣法違反の可能性を指摘し、必要に応じて調査や行政指導へと進める判断を行う。
実際に指導が行われるまでの待ち時間
東京全域の派遣トラブルを一箇所で取り扱っているため、対応には緊急度に応じて優先順位が設けられている。
相談内容は一度内部で報告書として整理され、その後、緊急性の高い案件から順に処理される仕組みである。このため、違反の重大性や緊急度が高くないと判断された場合は、行政対応までに時間を要する可能性がある点は理解しておく必要がある。
派遣法に照らし合わせて正確に判断してくれる
インターネット上には派遣法に関する情報が(当サイトを含めて)多数存在するが、解釈や正確性にばらつきがあるのが実情である。
一方、労働局の相談員は法令に基づいた判断を行うため、個別事案に対して明確な見解を得ることができる。
例えば、指揮命令権者は契約書に記載された人物に限定される点や、派遣元責任者の連絡先明示義務など、見落とされがちな重要事項についても具体的に指摘される。契約書を提示すれば、問題点を洗い出し、必要に応じて是正指導へとつながる。
労働局は悪質派遣会社にとっては恐怖の存在
労働局は国の機関であり、単なる相談窓口に留まらない強い権限を持つ。
違反が認められた場合には改善命令や業務停止命令といった重い行政処分を行うことが可能だからである。
そもそも、派遣会社は労働局の許可を受けて事業を行っているため、法令違反が重大であれば許可取消という死刑宣告とも言える強い対応もあり得る。
つまり、労働局は派遣会社に対して圧倒的に強い力を持っている存在である。
労働局と労働基準監督署との違い
労働局は全ての派遣労働の問題が扱われるわけではない点には注意が必要である。
労働局が主に管轄するのは「派遣法」に関する範囲であり、賃金未払いや休業手当など「労働基準法」に関する問題は労働基準監督署の管轄となる。
したがって、問題の性質に応じて相談先を使い分ける必要がある。
相談先は基本的に派遣会社や派遣先の所在地
相談自体は居住地に近い場所でも可能だが、実際に調査や行政指導を行うのは事業所を管轄する労働局や労働基準監督署である。
そのため、具体的な対応を期待する場合は、派遣会社や派遣先の所在地を管轄する機関へ相談する方が合理的である。
一般的な助言や意見を得る目的であれば最寄りの窓口でも問題ないが、実務的な対応を見据えるなら最初から派遣会社の管轄地を選ぶのが重要となる。
労働局を味方にして悪質派遣会社や悪質派遣先と戦う
一定規模以上の派遣会社であっても、派遣法に抵触する運用が行われているケースは珍しくない。
指揮命令者以外から業務指示されるというのも明確な派遣法違反のわかりやすい例であり、その延長に偽装請負という大きな違反が見え隠れしていることも珍しくない。。
違和感を抱えたまま業務を続けることは、派遣社員本人にとって明確な不利益となる。
労働局は国の機関であり立ち寄りづらそうではあるが、実際には気軽に訪問して相談できる環境が整っており、違反が確認されれば行政指導まで一貫して対応される。派遣特有の問題に直面した場合は、労働局の需給調整部(課、室)を器楽に活用をすることをオススメしたい。
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