正社員以上に複数領域をやらせる派遣求人が普通に求人募集される理由

派遣求人の中に「どう考えても正社員以上の領域を求めている」と感じる案件が紛れ込むことがある。

時給は2500円〜3000円くらいと高めに設定され、在宅勤務あり、大手企業、長期安定といった魅力的な言葉が並ぶが、業務内容を読み解くと、実態は正社員クラスの業務を丸ごと任せる構造になっている。

こうした求人が普通に派遣市場に現れる背景を読み解いていく。

一見魅力的でも業務内容は複数職種の兼任

表面的には魅力的な案件でも、業務内容を丁寧に分解すると、記事作成、動画制作、SNS運用、紙媒体の制作進行、イベント企画〜運営、外部パートナーのアサイン、顧客折衝、合意形成、遅延対応、資料作成など、複数の領域を横断するタスクが並んでいる。

これはもはや単一の職種ではなく、編集者、広報、マーケティング、イベント企画、プロジェクトマネージャーを兼任するような負荷の高い業務だ。特にクライアントワークの場合、納期や修正対応のプレッシャーはさらに強くなる。

正社員を増やしたくない企業が派遣で穴埋めしている

こうした求人が派遣として出てくる理由のひとつは、企業側が「正社員を増やしたくない」という事情を抱えていることだ。人件費の固定化を避けたい、採用に時間をかけたくない、プロジェクト単位で人を動かしたいといった背景から、正社員が担うべき領域を派遣に委ねているのである。

派遣であれば契約期間を調整でき、必要がなくなれば切りやすい。企業にとってはリスクが低く、即戦力を確保しやすい仕組みだ。

管理側の能力不足が派遣に負荷を集中させる

もうひとつの理由は、管理側の能力不足だ。

業務が複雑化しているにもかかわらず、社内の体制が整っていない企業では、正社員が抱えきれないタスクを派遣に丸投げする構造が生まれる。

特にクライアントワークの場合、顧客との調整や合意形成は本来正社員が担うべき領域だが、社内のリソース不足やスキル不足によって、派遣にその役割が押しつけられることがある。結果として、派遣が正社員以上の負荷を背負うことになる。

求人内容から読み取れる“正社員以上”のサイン

求人や面談で、業務範囲が異常に広い、複数職種の兼任が前提になっている、クライアントワークで責任が重い、合意形成や遅延対応といった正社員領域のタスクが含まれている、といったサインが見えたら注意が必要だ。

時給が高く見えても、業務内容に対しては妥当であり、むしろ負荷に対して割に合わないケースもある。

正社員以上の負荷を求める派遣求人はブラック

派遣に正社員以上の負荷を求める会社は、管理職の能力不足や仕組みの未整備、属人的な業務フロー、責任の押しつけといった構造的な問題を抱えている。

つまり、派遣に負荷が集中するのは、会社の未熟さの表れだ。働く側としては、求人に載る甘い言葉ではなく、実際の業務内容や業務範囲、組織文化を冷静に読み解くことが重要になる。

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