大手派遣会社にエントリーして1時間足らずで不採用通知が届くATSによる自動選考の仕組み

大手派遣会社の求人にエントリーした直後、ほとんど内容を確認された気配もないまま「今回はご縁がありませんでした」という不採用通知が届くことがある。

応募者からすると「早すぎない?」「ちゃんと見てるの?」と疑問に感じるが、実はこのスピード選考の裏にはATS(Applicant Tracking System、採用管理システム)と呼ばれる仕組みが関わっている。

つまり、人が判断しているのではなく、機械が応募データを読み取り、条件に合わないと判断した瞬間に不採用処理が行われるため、1時間どころか数分足らずで不採用が確定してしまうのだ。

ATS(採用管理システム)とは何か

ATSとは、企業や派遣会社が大量の応募者を効率的に管理するために導入しているシステムのことだ。

応募情報の収集、書類の仕分け、条件マッチング、ステータス管理などを自動化する仕組みで、特に応募数が多い大手企業や大手派遣会社ではほぼ必ず導入されている。ATSは応募者の職歴、スキル、資格、勤務地希望、希望条件などを読み取り、求人に設定された条件と照合する。

条件に合わないと判断された場合、人間の担当者が見る前に不採用処理が行われるため、応募者には驚くほど早く結果が届く。

なぜ大手派遣会社ほどATSによる自動選考が多いのか

大手派遣会社は常に大量の求人と大量の応募を抱えている。

1つの求人に数百件の応募が集まることも珍しくなく、すべてを人の目で確認するのは現実的ではない。そのため、まずATSが応募者をふるいにかけ、条件に合う人だけを担当者に回す仕組みが定着している。

特に派遣会社の場合、求人ごとに必須のスキルやその経験年数や資格の有無はもちろん、表には出ないものの、年齢や性別など細かな“裏条件”が設定されていたりするが、少しでも条件に合わないと自動的に不採用が確定する。

ATSが応募者を判断するポイント

ATSは応募者の文章を深く読み込むわけではなく、あくまで条件一致の有無を機械的に判断する。例えば、求められる経験年数に満たない、必須資格がない、希望勤務地が合わない、職歴のキーワードが不足しているなどだ。

こうした要素から案件にマッチングするか判断して、条件を満たさない場合は担当者に回る前に不採用となる。特に派遣会社の求人は「即戦力」「条件一致」が重視されるため、少しでもズレがあるとATSが容赦なく弾いてしまう。

1時間以内の不採用は応募者が悪いのではない

応募してすぐ不採用通知が届くと、自分の経歴やスキルに問題があるように感じて悲観的になってしまう。

しかし、実際にはATSの自動処理によるものであり、応募者個人の価値とは関係がない。担当者が読んでもいない以上、そこに感情や評価は存在しない。単に「条件が合わなかった」というだけの話だ。

むしろ、早く結果が返ってくることで、次の求人にすぐ切り替えられるというメリットもある。

自動処理でも不採用通知が営業時間内だけに届く理由

大手派遣会社の不採用通知が土日には届かず、平日の営業時間内だけに届くのは、ATSの送信タイミング設定と、人間の操作が組み合わされた運用のためである。

ATSが瞬時に自動で選考を行っていても、通知メールの送信タイミングはシステム設定に従って制御されていたり、不採用通知を一括で送る操作だけは人の手で行っているかのどちらかであることが多い。これは応募者への不採用連絡が深夜や休日に届くと、不審に思われてクレームに繋がるからだ。

そのため、機械による自動処理であっても、あたかも人が判断したかのように錯覚させるようになっている。応募者からすると「平日の日中に不採用通知が来た=担当者が見て判断した」と思い込みやすいが、実際には機械が選考し、営業時間内に合わせて送信しているだけである。

土日にエントリーした案件の不採用通知が月曜日にまとめて届くことがあるのは、この仕組みが原因なのだ。

逆に中小派遣会社は人の目で判断することが多い

大手と違い、中小規模の派遣会社ではATSの自動選考が導入されていない、あるいは機能が限定的なことが多い。

そのため、応募が入るとまずエージェント本人が内容を確認し、求人との相性を人の目で判断する流れが一般的だ。応募数が大手ほど多くないため、機械的なふるい落としをせず、「この人なら紹介できそうか」「職場との相性はどうか」「交渉や相談次第で何とかなりそうか」といった、柔軟で人間的な判断が行われる。

結果として、選考のスピードは大手ほど極端に早くならず、応募内容を読んだうえで連絡が来るため、不採用理由や紹介可能な別案件の提案が添えられることもある。中小派遣会社は、応募者との距離が近く、担当者の裁量で判断される部分が大きいのが特徴だ。

大手派遣会社の“即落ち”はATSによる機械的処理

大手派遣会社にエントリーして1時間足らずで不採用通知が届くのは、ATSが条件照合を行い、合わないと判断した瞬間に自動で不採用処理が行われるためだ。

応募者の価値とは無関係であり、単に「機械が条件で振り分けただけ」という事実を知っておくと、無駄に落ち込まずに次の行動へ移りやすくなる。

派遣の応募はスピード勝負でもあるため、ATSに弾かれたときは気持ちを切り替え、条件に合う求人へ積極的にエントリーしていくことが大切だ。

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