歓迎会という名の“タダメシ正社員ショー”に派遣社員の貴重な休息を差し出すな

新しい派遣先でよくある歓迎会。
その実態は業務時間中に済ませればいいレベルの自己紹介タイムを、わざわざ昼休みや終業後に押し込んでくる迷惑イベントである。
正社員にとっては経費でタダメシが食べられる福利厚生の一環なものの、派遣社員にとっては貴重な休憩時間やプライベートを奪われる苦行。
しかも、連れて行かれるのは、会社の近くにあるというだけで選ばれた不人気店のことが多い。
目次
自己紹介タイムを業務時間外に設定するな
業務時間中にやれば済む話を、なぜ貴重な昼休みや終業後に押し込むのか。
派遣社員にとって初日は緊張と不安の連続である。業務が終わればすぐに帰りたいし、昼休みは一人になって呼吸を整えられる貴重な時間だ。業務時間外に「自己紹介タイム」を強制するのは、派遣先の無神経さを露呈している。
しかも、話す内容は「名前と前職」程度。そんな情報ならメールやチャットで共有すれば十分だ。
さらに問題なのは、この自己紹介タイムが正社員のための儀式になっていることだ。派遣社員にとっては負担でしかないが、正社員側は「新しい人を迎え入れる自分たちの姿勢」を演出する場として利用している。つまり、派遣社員は演出に利用される「小道具」なのだ。
正社員にとっては経費で食えるタダメシ
歓迎会。その名の響きは温かいが、実態は冷え切っている。
主催する正社員たちは、多くの場合、会社の経費として飲食代が出る。つまり、彼らにとって歓迎会は「派遣社員の歓迎」ではなく、自分たちの福利厚生なのだ。
派遣社員が緊張と不安の中で初日を迎えている一方、正社員側は「今日の歓迎会、何食べようか」「あの店、経費で落ちるよね」と完全にレクリエーションモード。
しかも、こうした歓迎会は「交流の場」として演出されるが、実際には正社員同士の雑談タイムに派遣社員が添え物として座らされるだけ。話題は社内の人間関係や過去のプロジェクト、派遣社員には話に加わりようがない内輪ネタばかり。
そして何より、このタダメシ制度は繰り返される。派遣社員が入れ替わるたびに、正社員はまた経費で歓迎会を楽しむ。つまり、派遣の歓迎会は「人材の入れ替えを前提とした福利厚生」であり、使い捨て構造の一部なのだ。
誰のための会なのか? もう答えは出ている。正社員のための会である。
派遣社員は選択肢ゼロの外食地獄
連れて行かれるのは「会社の近くにある」というだけの店のことが多い。味も価格も空気も関係ない。
しかも、いつも領収証を切っている店員たちは気づいている。「あの会社の人たち、すぐ新しい人を連れて来るね」──そう、派遣社員が頻繁に入れ替わっていることが外部にもバレているのだ。店員の目は冷静で、無言のうちに「またか」と言っている。
そんな場所に連れて行かれる派遣社員側は、自分が“使い捨ての一人”として見られていることを突きつけられるような恥ずかしさを味わう。歓迎されているはずなのに、店内の空気は「新しい派遣が来た」感。食事どころではない。
この外食地獄は味の問題ではない。派遣先の使い捨て体質が一般社会にまで染み出しているという事実が、何よりも苦いのである。
実は断った方が業務がやりやすくなる
この厄介な歓迎会。断ったら気まずくなる? 評価に響く? 更新に影響する? そんなことは一切ない。
経験上、適当な理由をつけて断っても何の問題も起きない。「アレルギーがあるので外食は避けています」「食事制限があるので昼食は持参しています」「家族の都合があるのですみません」などと言えば、正社員どもの演出に付き合う必要がなくなる。
どうせ行っても行かなくても、ブラックな職場はブラックなままだ。ランチ会に参加したからといって業務が優しくなるわけでも、契約更新が確約されるわけでもない。茶番に付き合ったところで初回更新を断られることもあるし、実際には何もプラスにはならないのだ。
むしろ、歓迎会で互いに打ち解けたことによって、「これもやって」「あれもやって」と雑務を押し付けられるようになったり、「(会社の経費で)奢ってあげたんだから」という心理で業務において適当な対応をされるようになる場合すらある。実際問題、派遣で働く場合はビジネスライクに徹した方が何かと都合が良い。
そして、もっと根深い事実がある。人が入れ替わるたびに歓迎会をやっている企業はブラックの傾向が強い。店員にすら「あの会社、また新しい人連れてきた」と思われるレベルで、外部にも使い捨て体質が漏れている。そんな職場で行われる歓迎会は、派遣社員の人間性を踏みにじるイベントである。
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