【経験談】週3日や時短勤務の派遣は落とし穴だらけ? 応募する時の注意点


最近、派遣の求人でよく目にする「週3日」とか、1日5~6時間など「時短勤務相談可」のフルタイムでない派遣求人。

テレワークの影響などで、ほんわり派遣のトレンドになっている気がする。

家庭の都合や習い事などと並行して働けそうなメリットもある一方、こうしたフルタイムじゃない派遣というのは蟻地獄的な拷問プレイの場合があるというのを知っているだろうか?

今回は時短勤務に夢を描いている“ドリーマー”の夢をぶち壊すべく、週3日勤務でブラック派遣先での就業経験がある筆者が実際に感じたことを記す。

週3日勤務や時短勤務は低予算の派遣先が使う(?)

一見するとフルタイムより自由な働き方ができそうだと勘違いしてしまう週3日など時短勤務の派遣。

しかし、実のところ、これらは通常の「週5日8時間」などのフルタイムの派遣とは別物と思った方がよい。おそらく、派遣会社側が予算のない企業に「フルタイムで雇う予算はなくても、半分くらいの安い金額で“プロ”の派遣社員を雇えますよ!」と売り込んでいるのだ。

そのため、予算のある大手企業というより、これまで派遣を使ったようなことがないような中小企業が利用しているケースが多い印象。

週3日程度とか、一日あたり5~6時間程度の業務ボリュームしかないから時短で雇うというよりは、派遣先の財布が寂しくてフルタイムで雇う予算がないから時短で雇うというイメージだ。

予算のある派遣先は仕事がなくてもフルタイムで雇う

大手企業でフルタイムの派遣就業の経験がある人ならイメージがつくはず。

予算がある派遣先なら、実際の仕事があろうとなかろうとフルタイムで雇うのだ。大手企業で事務や内勤系の仕事なら、1日8時間の契約でも実際に仕事らしい仕事をしている時間は30分かせいぜい1時間くらいということも少なくない。それでも契約上は8時間ぶんの給料が支払われる。これが予算のある派遣先での一般的な実態である。

なぜ大手企業ではこういったことが起きるかというと、部署の予算が余っていたりすると、仕事があろうとなかろうと、部署のメンツや人数合わせで派遣を雇うのだ。「やる仕事がない」とか「仕事しているふりをするのがツライ」など、そんなことを思いながら働いている派遣社員など大手企業では少なくともコロナ前はゴマンといた。

週3日や時短は仕事がギュウギュウ詰め

予算たっぷりの大手企業での派遣とは正反対なのが、中小企業での週3日や時短の派遣である。

本当はフルタイム並みの業務量があるにも関わらず、フルタイムで雇う予算がないから導入しているだけというケースもあると思えるのだ。勤務できる日数や時間が限られてるだけに仕事を急かされることが多い。週3日だと休日が必然的に多いため、できるだけ当日中に仕事を完了させないとならない場合もある。残業が契約的にできないことも多く、心理的なプレッシャーは最大値まで振り切れる。

どんな勤務パターンでもやりにくい

シフト制のアルバイトとかパートの仕事みたいな職種だとそうでもないのかもしれないが、自分の担当案件がはっきり決まっているような仕事だと、フルタイムじゃないのはどんな勤務パターンでもやりにくい。

月、水、金みたいな飛び飛びの出勤日だと、翌日に仕事を残すというのが厳しいだろうし、予算がなくて残業ができないこともあって勤務時間中はカツカツになるのが必至。

月、火、水の3連勤→4連休パターンだと、毎週が正月明けみたいなもの。

週によって勤務日が変わるパターンだと、プライベートと両立のはずが中途半端に仕事中心になってしまう。

週3日だと実質的に雇用保険に入れない落とし穴も

契約期間が区切られている派遣社員は雇用保険が命綱だ。

ところが、週3日の派遣は契約上は雇用保険に加入できても、1カ月あたりの勤務日数が足りないために失業給付が受けられない場合がある。これは派遣会社が内緒にしている場合もあるので要注意!

どういうことかというと、雇用保険は1カ月あたりの勤務日数が11日以上、もしくは1カ月あたり80時間以上の勤務時間がないと、1カ月加入したとカウントされないのだ。

週3日勤務で勤務する曜日が固定されている場合、祝日の関係で1カ月の勤務日数が足りなくなってしまう場合がある。2月、5月、9月。12月などは、勤務日数が足らなくなってしまう可能性が高い。体調不良や急用で1日~2日休むと、雇用保険料を払っている意味がなくなってしまう。

1カ月働いていても雇用保険の計算としては働いていなかったのと同じような扱いなので、契約満了になっても失業給付が受けられない場合が出てくる。

週3日勤務最大の落とし穴と言ってもいいだろう。そういう意味では週5日勤務の時短の方がマシだけど、失業給付は収入を元に計算されるので、時短で収入が少ないとフルタイムみたいな給付金額にはならないので注意だ。

まとめ 派遣の週3日勤務だけは避けた方がいい

実際にやってみるまで週3日勤務の派遣がこんなに酷いものだとは思わなかった。

お茶でも飲みながら、のんびり、ゆったり働いて、契約満了後も失業給付で・・・と考えている“真っ当な派遣社員”を目指すなら、絶対に選んではいけない働き方である。実態を知らずに週3日や時短で働いてしまうと後悔することになってしまう。