未だに引っかかる人がいる「釣り求人」は古典的な派遣会社の登録者増やし手法

食いつきのよい釣り餌に釣られる求職者のイメージ

釣り求人というのをご存じだろうか?

相場より好条件で特別なスキルが不要、例えば「簡単な問い合わせに答えるだけ」というような多くの人が応募したくなる求人のことである。

人間は自分が可愛い子ちゃんに思えるので、釣り餌に食いついてしまったことを認めたがらないものだけど、実際に応募すると実際にその求人があるかないかは別にして、なんやかんやで別の求人を紹介されて断りにくい状況に追い込まれるのが典型的。

冷静に考えればわかるが、もうあなたはパクっと釣り餌に食いついてしまったわけである。これは素直に早々に認めるが吉であろう。誰でも失敗は経験する。そこから学べばよい。

早く応募しないと締め切っちゃいますよ~、というような煽り文句まであるのが典型的なわかりやすい釣り求人だけど、こんなのは派遣会社では20年も前からよく行われているものの、も、未だに現役の登録者集めの手法であることを考えると妙に感慨深い。

派遣会社のビジネスモデルは新規登録者を増やし続けるのが重要

長く派遣で働いているとわかるが、派遣会社というのは常に新しい登録者を欲しがるものである。

なにしろ、派遣で紹介される仕事というのは、大手企業であっても人をとっかえひっかえして、その場しのぎで業務を進めようというブラック派遣先が中心。

人材を育てようという発想はないし、指揮命令者である中間管理職は業務を丸投げしたり、そもそも派遣の業務に関わらない。

採用窓口の人事は大体はアホなやつで、「うちは派遣だからといって甘えは許さない」みたいなことを遠回しに言って、正社員などと同様の責任を押し付ける。契約期間が2か月とかしかないのに、正社員と同様の責任感を持てというのがおかしな話だけど、こんなのが業界大手の上場企業グループでも平然と行われているのが派遣の実情である。

そんなところに派遣されると早々にメンタルを壊して辞めたくなるし、二度と派遣なんかで働くものかと思うのが普通の人。

そこで必要になるのが派遣の実情を知らない新規登録者なのである。

新規登録者は前職が正社員続きだったりする場合は、派遣経験者よりも経歴がさっぱりしているので派遣先へ紹介しやすいというのもあるから、

夢見がちで実際には現場で嫌煙される新規登録者

派遣会社にしてみればマージンさえ取れればよいので、現場の混乱なんか知ったこっちゃない。

長く派遣で働く側からすれば、新規登録者というのは概して困ったちゃんである。

特に前職が正社員だったりすると、自分も今は派遣社員のクセに周りの派遣社員を見下す態度を取ったりするからである。

数か月後には一方的にクビが切られる確率が70%はあるのに、派遣の実情を知らない雛鳥は身を粉にしてアホな正社員の無茶な要求に答えようとする。

究極にアホな雛鳥の場合は、どこぞの宗教団体かと思うような精神論の社訓が好きだとほざくようにもなるし、こうなると手の付けようがないのが新規登録者なのである。

要するに、釣り求人に引っかかるような新規登録者は周囲をも不幸にさせるわけである。

不幸というものは他人に伝染するものだけど、釣り求人を見抜いたり、釣り求人に食いついたらさっさと辞退するようなリテラシーを身につけなくていけない。