【派遣あるある】派遣社員に指示を出せるのは「指揮命令者」1名のみ!!

派遣の理不尽を面白可笑しくエンタメ風に紹介する「派遣あるある」コーナー。

どう考えても偉くもない下っ端平社員の鬱憤晴らしに利用してんじゃねぇ~と思いたくもなる瞬間があるわけですが、派遣先の多くでは繁忙期に差し掛かると、業務がヒートアップして派遣就業における最難関トラブルの一つ、指揮命令者問題が持ち上がります。

指揮命令者は書類上も実務上も1名が最良

指揮命令者問題の真っ最中の方のために最初に結論を言うと、派遣社員に指示を出せるのは基本的には契約書に書かれている「指揮命令者」に指定された人物のみ。(少なくとも個人的な要望としてはそうあってほしいと切実に願うわけですが、基本的に派遣社員にとっては指揮命令者が固定化されている環境が好ましいと言えます。

指揮命令者が複数いた場合にありがちな状況

指示系統がハチャメチャ、複数ルートの場合にありがちな例を一つ挙げると、例えば、Aさん、Bさん、Cさん、Dさん・・・、課長、部長・・・と様々な人物から四方八方から仕事の指示が飛んできます。聖〇太子でもない限り、収集がつかなくなりますよね?

そのために過度な残業が発生したり、下手をすれば、AさんやBさんの仕事をやっているために課長や部長といった“エライ人の業務”が後回しになったりして、所属している派遣会社に「あいつは仕事が遅い」などと苦情が出されてしまうかもしれません。

会社というオリの中では基本的にエライ人間の仕事を優先すべきですが、現実には常にそうできるわけでもないし。

“シャドウ指揮命令者”が複数名いる場合

派遣法的には指揮命令者を複数人指定することは問題ないとはいうものの、多くの場合、マネージャーとか、事業部長とか、社内の偉い人が指揮命令者として契約書に1名だけ記載されているケースが経験的には多いです。

いや、100社くらい派遣先で働いた中で複数人書かれていたことは一度もないわけですが、きちんと契約書で指定すれば、複数人いること自体に問題はないと言います。書かなくてもナァナァで通ってしまうことも、明確に禁止されている事前面接がナァナァで通ってしまう派遣業界ならあるのかもしれません。

では、仮に契約書に1名だけ書かれていたとしましょう。その1名だけが指揮命令をしてくるかというと、そういった真面目な派遣先も時々はあるものの、部下などチームメンバーが複数人で指揮命令をしてくるケースが多いというのが個人的な経験から言えます。

指揮命令とは、これやってほしい、あれやってくれと言ったもの、平たく言えば命令みたいなもんです。

指揮命令者がいない場合もある

これはどういう状態かというと、指揮命令者は大体の場合、中間管理職など少し偉い人がなっています。

中間管理職は多数の部下を抱える一方、上層部からの無理難題にも応えなくてはならない立場です。したがって、現場との調整や、上との打ち合わせなどが多いわけです。部下の誰かがヘマをすれば客先に謝りに行ったりするのも中間管理職です。

そういった人が指揮命令者なわけなので、指揮命令者が不在の時間や、不在の日というのが発生しがちです。

メールや電話などで連絡さえ取れる状況であれば、それはそれで構わないという緩い解釈がまかり通るのが派遣法のアレな所なんですが、指揮命令者は常にそばにいなくてもいいってことです。そういう時に困らないように、代理で相談できる人などを指名したり、指揮命令者は自身が不在の時の対応について配慮する必要はあります。

・・・というのは2020年以前のコロナ前の話。

その当時、派遣会社はIT系などテレワークできそうな職種でも頑なに「指揮命令者が近くにいないとダメだよ~ん」という、わかるようなわからない理由で派遣社員にはテレワークを認めていないことが大半でした。しかし、国がテレワークしろと言ったら途端に関係なくなりました。近年における派遣七不思議の一つです。

実際問題、代理で部署のメンバーなどから指示が飛んでくることはよくありますが、それだと指揮命令者の意味がありませんね。

指揮命令者が本当にいない場合も

かなり深刻な状況ですが、契約書に書かれた指揮命令者の姿、形を知らないという場合です。意外とあります。

いわゆる名義貸し状態ですが、大企業とかではわりとあったりします。文句なしの一流企業だとそんな所は少ないのですが、そこそこな大企業に多いです。

書類上だけ事業部長とかのかなり上の人の名前になっていて、現場に事業部長は顔を出すことはなく、全く接点がないという場合です。

誰がどういう指示をしているのかというのは、やっぱりとても大事なこと。企業というのは組織で動いているので、指揮命令者すらちゃんと設置できないということは、色々なことが何となく進んでいる組織とも言えるでしょう。

派遣先苦情責任者について

派遣の契約書というのは色々な人物の名前が書いてありますが、指揮命令者以外にも派遣先苦情責任者という人も大事です。

どんな立場かというと、指揮命令者が変なことを言って来たとか、何か困りごとがあったときに相談できるかもしれない相手のことです。

指揮命令者が兼務することもありますが、それでは何の意味もないので、更新のタイミングとかで部署のナンバー2くらいの人に打診してなって貰うのが良いでしょう。困った時の損談相手なので、顔を知っていて雑談できるくらいの人がベストですが、そんな人はいないことも多いため、結局、名前だけになってしまうことが多いです。

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