派遣社員は「還付申告」で税金が返ってくる場合が多いので忘れずにしよう!

派遣で働く場合、税務署に「還付申告」をすると税金が返ってくる場合が多いので、やっていない人は絶対にやった方が良いと言う話。

派遣社員は税金的な扱いは会社員やサラリーマン、つまり「給与所得者」なので、フリーランスや個人事業主などの人が行なっているような本格的な「確定申告」は一般的には必要ない。

確定申告と還付申告は別もの

確定申告はフリーランスなどの人が給与ではなく「報酬」としてお金を受け取っている場合、税務署に収入を申告して税金を納めるために行う義務的なもの。

それに対して、還付申告は確定申告のように義務的なものではなく、払い過ぎてしまった税金を返して貰うために行うものだ。

ざっくり言うと、確定申告は税金を払うためのもの、還付申告は払い過ぎてしまった税金を返して貰うものと言える。

派遣社員は税金が必要以上に引かれている!?

これはその派遣会社がブラックだからと言うわけではなく、派遣社員は税務的にはサラリーマンの一種のため、給与から所得税などの税金が予め引かれる形式となっている。これを世間では源泉徴収と呼ぶ。「源泉徴収票」というものを聞いたことがあるかもしれないが、その源泉徴収である。

確定申告をしなくて済むので便利で楽チンに思える源泉徴収という仕組みだが、これには大きな問題点もあったりする。

源泉徴収は正社員など1年間通して安定して働いた場合の見込み年収によって大雑把に計算される。そのため、数カ月程度で契約終了になることも多い派遣社員の場合は還付申告しないでいると、税金を本来よりも多く払ってしまう場合が多いのだ。

数ヶ月単位の契約期間で職場がコロコロ変わってしまったの、働けない期間があったりと、収入に増減がある派遣社員だと簡単に払い過ぎてしまう。どう考えても派遣社員の事情は考慮されていないのが源泉徴収だ。

そのため、派遣社員は還付申告という仕組みを使って、税務署から税金を払い戻して貰う手続きをする必要がある。

派遣社員は大抵の場合は税金を払い過ぎているが、国や税務署から「あなたは税金払いすぎなので返しますよ~」とは決して向こうからは言って来ない。面倒だが自分で手続きをする必要があるのだ。

還付申告で税金が返ってくる可能性の高い人

派遣社員だから無条件に必ず税金が返ってくると言うわけではないが、次のような場合はほぼ税金が返ってくると思っていい。人によるが、派遣社員の一般的な収入の場合、数千円~5万円くらいの間のことが多い。

年の途中で派遣先が変わった

給与の条件が変わったり、仕事と仕事の間に空白期間があった場合などは、簡単に税金を払い過ぎてしまう。

派遣切りなどで働けない期間があった

離職して求職活動に専念してたり、特に何もしていない無収入の期間が数カ月あり、その後に仕事が決まって数カ月働いた場合などが該当する。

数万円単位の医療費を払った

風邪で一度診察を受けたという程度では関係ないが、医療費が数万円以上の場合は申告するとよい場合がある。

派遣以外に副業などの収入があった

個人でのフリーランス的な仕事などの収入で源泉徴収されているものは還付される場合が多い。

上記はあくまで主なものだが、還付申告は払い過ぎた税金を取り返すものなので、収入があったが明細をみて「源泉徴収」というようなものが表記があれば大体は対象になる。

還付申告は割と簡単に出来る

還付申告をやったことがない人には難しそうに思えるかもしれないが、本格的な確定申告と違って特別な知識やソフトなどは必要ない。領収書なども必要ないし、普段から帳簿を付けたりしている必要もない。

少しの手間はかかるものの、慣れると30分〜1時間くらいで提出書類を完成されられる。

還付申告で必要な書類など

還付申告を行うのに必要なものは下記の書類だ。

源泉徴収票

その年に働いた派遣会社から発行して貰う。派遣会社によってはマイページなどから発行依頼できたりもする。とても重要なので1日でも働いた派遣会社からは必ず発行して貰おう。おかしな話だが、こっちから請求しないと退職しても自動的に発行してくれるわけではないので注意。

以下のものは、加入しているものがあれば必要に応じて用意しよう。

国民健康保健の支払い証明書

年明け1月以降に住んでいる自治体から送られて来るはず。送られて来ない場合は住んでいる自治体の市役所、区役所などに問い合わせてみよう。派遣会社の健康保健に入っていなかった日が1日でもあれば、国保に強制加入されるので支払っているはず。

生命保険、医療保険などの支払い証明書

加入している場合は年明け頃に送られてくるはず。

副業などの支払い証明書

派遣以外にフリーランスなどの副業があれば支払い調書的なものを発行して貰おう。

ふるさと納税の支払い証明書

自治体から送られてくるはずなので用意しておこう。

還付申告の手順と期間

還付申告は年明け以降、1月から3月くらいまでの間に行うのが一般的。確定申告とは期間が少しずれている。実際に税金が返ってくるのに半月〜1ヶ月くらいかかるので、早めに還付して欲しい場合は、必要な書類が揃った段階で早めに行うのがよいだろう。

受付は1月1日から始まるが、12月末まで働いていた会社があった場合、源泉徴収票が発行されるのが給与確定後なので早くても手続きできるのは1月末くらいになるだろう。

還付申告の手順としては、以下の国税庁のサイトにアクセスして、「確定申告書等作成コーナー」から必要事項を入力していく。基本的には流れに沿って自分の条件に当てはまるものを選択していけばよい。

提出方法について

提出方法は印刷して郵送したり、税務署が近所の場合はポストに投函する方法がシンプルでわかりやすい。e-taxというサイト上から提出する方法もあるが、カードリーダーが必要になったり事前準備が必要になる。

還付申告の詳しい説明

還付申告についての詳しい(硬い)説明は下記となる。

まとめ 派遣で働いているならやらないと大損

還付申告は派遣で働いているなら行わないと数万円単位の損をしてしまう。フリーランスや個人事業主なら確定申告は義務付けられているものの、派遣社員は税務的にはサラリーマンに分類されるので、派遣会社も国も役所も還付申告については全く教えないのが不思議。

還付申告を知らずに過ごしていた人も過去5年間までは、書類が用意できれば遡って申告できるため、今からでもやれば払い過ぎた税金を取り戻せるだろう。