【派遣の疑問】契約時間外の研修やイベントでの給与の扱いは一体どうなるの?

現代日本における歪みの象徴、人材派遣にまつわる疑問に答えるコーナー。

今回は当サイトにお寄せ頂いた相談の中から「契約時間外の研修に参加したが、正社員は給与が支給されたのに派遣社員には何もなかった」というものを回答したい。

白黒はっきりさせないと、なぁなぁにされるのが派遣

人材派遣という限りなくブラックに近いグレーな労働形態では、派遣先、派遣会社、派遣社員という歪な利害関係があるために、誰が何の責任や権利を持っているのかがアヤフヤにされてしまうことが多い。はっきりさせるべきところははっきりさせないと“なぁなぁ”にされやすいのだ。

派遣社員が派遣先などで契約時間外の研修に参加した場合、そもそも派遣社員はレンタカーのように時間契約の立場なので、契約にない時間に派遣先や派遣会社に関わる必要はないとも言えるのだが、その研修の内容によって給与が支給されるべきかどうかが判断されるだろう。

業務に直接関わるものは支給されるのがスジ

支給対象かどうかは、その研修が派遣先での業務に直結するかどうかがポイントになる。

例えば、派遣先での業務そのものの研修(業務手順の説明、引継ぎなど)であれば、もはや完全に派遣先の業務の一部と考えられる。これで給与を支給しないなどと言う、小悪党みたいなケチな派遣先や派遣会社は社会通念上で許されない。即刻、労働基準監督署などを通して給与を請求するのがスジだ。ちなみに、労基署でも派遣の場合は需給調整室とか言う、小部屋みたいな別部署が窓口の場合があるので注意。

それに対して、業務そのものというより、外部会場などでの業界セミナーや、エクセル等の一般的なPCソフトの研修のようなものだと、任意参加であり事前に給与支給なしと事前に告知がある場合は、自己研鑽などの個人的な活動の範囲とも考えられるのでケースバイケース。

仕事である以上、お金の扱いはとても重要なのだが、派遣会社に勤める営業マンは気が利かない場合が多く、この手のお金に関わる微妙なことは事前に説明しないことも多い。聞いても口を濁したり、はっきりしてくれない場合もある。派遣先も派遣先で、「そういうのは派遣会社がちゃんと説明してるんでしょ?」などと無責任なのが一般的だ。

派遣先の指示で拘束する場合は金を払うのが原則

基本的に派遣先企業の指示で時間を拘束された場合は、どういう場合でも給与を払うのが派遣での常識だ。レンタカーやDVDのレンタルみたいに、延長するなら延長料金が必要だ。

派遣経験が浅いと不思議に思うかもしれないが、派遣社員は派遣会社に雇用されているのに、派遣会社が個別に派遣社員にお金を支給するというパターンは通常ない。なぜなら、一般的に派遣会社(人材派遣以外にビジネスを持たない場合)というのは、派遣社員の労働で得たお金をかすめ取る方法しか収入源がないからである。派遣会社は派遣社員に働かせることで初めて成り立つビジネスなのだ。

派遣先企業のお金→派遣会社の取り分(40%前後)→残りが派遣社員個人へ・・・というキャッシュフローなのだ。

派遣会社主催のどうでもいい“法定研修”は給与が支給される

前述のキャッシュフローにも例外がある。

数年前から派遣会社も年に何時間かは派遣社員に給与を支給しつつ、何らかのキャリアアップ系の研修を受けさせないとならないと法律で決められた。そのため、ある程度の期間を派遣社員で過ごすと、どうでもいいエクセル入門や社会人1年目の人が受けるような初歩的なビジネスマナー研修などを受けさせられることになる。

社会人10~20年目なのに、今さらこんな低レベルの研修受けてどうすんの? という研修のことも多いが、この手の派遣会社から指示されて受ける“法定研修”は時給が支給される。

派遣周りで研修の告知があった時は、事前に給与周りがどのような扱いなのかを確認しておくと無駄に神経を使う必要がないだろう。

イベントやお祭り好きな派遣先も注意

良心的な派遣先や派遣会社であれば、研修も社員と同様の扱い(勤務扱い)にしてくれる場合があるが、業務と業務外をきっぱり分けている派遣先も多い。

研修に限らず、社員総会や社内イベントなど、「お祭り大好き」な派遣先の場合は注意が必要だ。自社の社員と派遣とで在籍元が違うことから、社員は給与が支給されたり、代休がもらえたりするのに、派遣社員は無支給という場合もある。

研修に限らず、業務以外のイベントが多い派遣先の場合は、派遣会社と派遣先双方に事前に取り決めをしておくと間違いがないだろう。そのあたりは3者が絡んでいるぶん、派遣はややこしい。派遣会社が説明しない派遣のデメリットだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です