派遣社員には経営者感覚が必須な理由~派遣を繰り返してわかったこと~

10年以上に渡って派遣社員を各社で繰り返してわかったこと・・・それは派遣社員には経営者感覚が必須だということだ。

正社員などと違って会社が数年後までのキャリアや人生を描いてくれるわけではなく、派遣で働く選択をした以上は、その後の人生の全てを自己決定していく必要があるからだ。

日本の雇用システムで派遣は“調整弁”という事実

ご存じのとおり、人材派遣という雇用システムは日本のド偉い人たちが作り出した国のシステムの一部である。派遣で働くうえで重要なことなので、これはよく覚えておく必要がある。

人材派遣はアメリカが発祥だが、アメリカ本国においては人材派遣は正社員よりも高級なのが一般的。

なぜなら、派遣先からしたら募集などの採用プロセスを簡略化したり、働く側にしたら雇用期間が短期間というデメリットがあるうえに、派遣会社の取り分もある。人権意識が高いアメリカ本国においては、直雇用の正社員より高給になるのは、むしろ当然というわけだ。

ところが、同じ人材派遣でも日本では全く事情が違う。

日本における人材派遣は、日本のド偉い人たちが成長が完全停止した日本経済の実情に合わせて都合よくアレンジした結果、単なる企業の雇用調整弁でしかない。日本の派遣社員は、低賃金なうえ雇用が不安定というか、そもそも日本の法律でがっちり定義されている通り、最大で3年まで働けないという完全使い捨て奴隷なのだ。

申し分程度に罰則も何もない「直雇用の努力義務」なんてものもあるが、社会の末端ビジネス“人材派遣”を手掛ける派遣会社が罰則の無い法律を守るわけがない。

メディアのせいでイメージが悪い人材派遣

元々は日本でもIT系など専門職のプロフェッショナル人材を派遣するのが人材派遣だったが、段々と派遣を取り巻く法律が改正されていった。単純作業や一般事務など、ほとんどの職種が人材派遣の対象として解禁されたのである。

リーマンショックの時は、そういった単純作業などの派遣をしていた人たちが大量に雇止めされて、派遣村なんていう負のキーワードすら生まれた。

世間での派遣のイメージは決してポジティブなものではない。実際は日本でも正社員並みの高給を貰って働くプロフェッショナルな派遣社員も一定数いるのだが、世間での派遣のイメージといえば前述の派遣村に代表されるような、低賃金、単純作業の雇用や生活が不安定という負のイメージなのだ。

派遣の仕事が終了してハローワークで失業給付や求職相談をすれば「前職は派遣で働いていたんですか?」と、なぜだか雇用形態の話が前面に押し出される。

派遣を抜け出して社員30人程度の誰も会社名を知らないような零細企業に正社員で就職すると、東京都心なのに年収300万程度でサービス残業で上司にしっぽを振り振り仕事をしている人たちに「(派遣を抜け出して)うちで綺麗な体になってね」などと嫌味を言われる始末。さすがに、正社員でも年収300万だと派遣の方がまだ高給だというのにである。

まとめ 派遣で人生を切り開くには経営者感覚が必要

ここまで述べてきたのは日本における派遣社員を取り巻く外的要因だ。

日本の法律が派遣社員を使い捨てて良いことになっているというか、むしろ使い捨てるための調整弁という位置づけなので、派遣会社も派遣先も派遣社員をやる人のキャリアや人生の面倒を見ることなど全くしない。派遣先での契約期間が終了すれば、瞬時に派遣会社との雇用関係も終了するのだから当然だ。

世間も世間で、派遣で働いていたというとポジティブなイメージを持たれることは少ない。「派遣と言っても色々あって・・・」といちいち説明しないとわかって貰えないのが派遣社員だ。

それでも様々な事情で派遣で働き続けるのに必要なのは、経営者的な感覚だ。法律や世の中のトレンドをキャッチし、世の中の需要にあったスキルを自分で身に付けていく。派遣会社は取引先として扱い、その時々で利用価値の高い派遣会社を探して、使い物にならない派遣会社は関係性を切る。

派遣社員をする人は経営者のようなシビアさが必要なのだ。会社に仕事やキャリアの面倒を見て貰ったり、世間体を重視するならば、派遣社員の仕事を長くやろうとするのは全く薦められない。

派遣社員という“商売”をやっていくならば、全てを自分の責任で判断できる経営者感覚が必須なのだ。

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